トキワ荘の計画について、けっこう本気めらめらで、タカミのブレストから間髪容れず、めぼしいひとにそれぞれ会って、ちゃんと話を聞いてもらった。卒制の小休止と仕事納めのタイミングが相俟って、なかなか会えなかった高校の盟友に会えた。一緒に住んでトキワ荘ごっこしようって訳じゃなくて、例の企画もろもろ総称【トキワ荘】と名付けることにしたからそう呼ぶのだけど、一緒に何かをやるうえで近くに居る必要性や利点は絶対あるから、自然と具体的な共同生活の仕方についても話せた。


勤務地が確定する五月以降、ひとまず単身引っ越す予定だが、本社研修で一ヶ月しごかれたら目覚めて考えが変わるかもしれないし、どのみち一年間は店舗で販売をやるのだし、結局のところ服は好きだからどんどん傾倒していくこと必至なのだけど、それでもアパレルから文芸界へ行きたいならば方法はふたつ。そのひとつがトキワ荘であって、私は何がしたいのかというとコンペがしたいです。住人はそれぞれの職業を軸として、生活サイクルもそれに殉じて支障のないよう真面目に生きるけど、傍ら、物書きなり創作活動なり行うとしてそれを励まし合いたい。例えば賞に出すものを読んで意見して欲しいし情報交換もしたい。最初は “いまここにある課題” をまず各々が経験するという意味でコンペ。TCCとかJDNとか、開かれた間口はたくさんある。“募集” に対して “応募” という形で、ひとから与えられる条件や締切で尻を叩かれながらみんなでヒィこらヒィこらしたい。息が上がらなくなったら(仕事になってきたら)元の会社を辞めて両足向けていよいよ本当に焼き豆腐屋さんなり翻訳なりラジオなり音楽なり映画なり本なり、何でも自由な形で思いきり出来るのではないかと。思っているのですが。どうでしょう。。


もうひとつの方法は、最初から両足でアパレルの真ん中を行くことで、自分の会社でばんばん働いてスタイリスト業務でフリーになる、というもの。村松正浩さんに相談して教えて頂いたことと、松竹衣装の選考に参加したとき感じた線を加味するに、たぶん、繋がると思う。なぜなら衣装は全くの指名の世界で会社に関係なく人脈で仕事が決まるから。友達にはサブカルチャーの分野を勉強したひとが多くいるからキッカケになるかもしれないし、劇作家や小説家や放送作家や脚本家に出逢える機会があると思う。遠いけど。連想ゲームじゃないんだから、ていうくらい遠いけど、乗り継がなければ遠くまで行けないから、その都度自分で選んでゆくしかない。チャージされたカードを使うのは子供だけど大人は自分で選んで自分のお金で自分で切符を買って乗り継いでいく。




アサコ「落ちた鉛筆を拾ってあげる、ていう仕事があったらいいね」(隠喩)
わたし「落ちた消しゴムも、どんどん拾ってゆきたい」(隠喩)