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大学三年のころ書いた作文。




昨日のこと。昨日、買い物の休憩でモスバーガーに入ったら、少しして、となりの席に女の子が座った。カバンから白紙のエントリーシートを取り出して、じっと眺めているようすだったので、どこの会社だろうと思ってそっと見やったら、文藝春秋でした。


チェーホフは「大学生」という小説のなかで、過去から現在に連なる時間の一方の端に触れたら、もう一方の端がぴくりとふるえたような気がしたということを書いている。




人の転機の説明は、どうもなんだか空々しい。
その説明が、ぎりぎりに正確を期したものであっても、それでも必ずどこかにうその間隙がにおっているものだ。
人は、いつも、こう考えたり、そう思ったりして、行路を選んでいるものではないからでもあろう。
多くの場合、人は、いつのまにか、ちがう野原を歩いている。
― via「東京八景」太宰治