食べながら泣く

夕方までバイト。お昼休憩に、菓子パン的なものを食べる高校生を見かけると、すごく変な気持ちがする。決して嫌な気持ちじゃない。なんか、変な気持ちがする。動揺してしまう。


DVDを観ようと思い立ち、まっすぐ帰宅。長嶋有の小説が映画になったやつ。長嶋有の中でいちばん好き。洋子さんという登場人物が良い。洋子さんが無造作に手づかみでホットケーキを食べながら泣く大事なシーンがある。それを何度も観た。原作では、苺と八朔(はっさく)を食べながら泣く。それは淡々と続く物語にたった一箇所ある破れ目。息をのむ。


何年か前に、友達が言った忘れられない話。「チャーハンを食べながら泣くという行為が好きだ」みたいな話。 独りでチャーハンを作って、独りで食べながら音楽を聴いていたら、あまりに感動して涙がボロボロ出てきて、チャーハンがしょっぱくなった、しょっぱいチャーハンは旨かった、ていう。「涙は “出て” くるけどチャーハンは口に “入れる” みたいなところが素敵だと思う」とも言った。忘れられない。