内定

内定もらいました。今日通知が来ました。縁があったのは、自分がいちばん好きなアパレルメーカーでした。ひと安心とか嬉しいとか、どれにも当てはまらない不思議な気持ちがします。選考中の会社があるから就活自体はまだ続ける。思うことある。家出るとか奨学金返すとか具体的な目処立つ一方で、大事なことが置き去りになっているような気がする。モラトリアムではない。違うから。


最近、未映子に会いたくてたまらない。会えそうで会えない。会いに行ける機会がありながら、会いに行かない自分のせいで会えない。このごろ小説が捗らない。そもそも書けてたわけではないのに、書き方が “分からなくなってきた” という感じがする。どうして分からなくなってきたのか考えた結果、それは完成のイメージが実体を伴わないからだと思い当たり、ならば写経の心意気、として未映子の『乳と卵』を原稿用紙に書き写すということを始めた。一冊という単位の体験。ウン万文字を書くのにどれだけ時間がかかるかとか、ウン百枚の紙の束としての量感とか。そのこと知らないくせに、あなた一体どこ目指してたのと自分に思った。




お母さん、ほんまのことを、ほんまのことをゆうてや
お母さんは、ほんまのことゆうてよ
— via「乳と卵」川上未映子