仕事辞めてしたいことのひとつに帰省があって、ひとりで週末帰ったんだけど、兄夫婦と同時的帰省だったので、お義姉ちゃんもいた。兄夫婦っていうかまだ結婚してなくて、婚約中の彼女というわけで実家に頻繁に来る。お義姉ちゃんっていうか私よりガッツリ年下で、若いだけ家に居るだけで空気が明るくなるというか、騒がしいというか。もともと四人家族だったところに五人いる違和感。私が出て行ったスペースに新しい娘となるひとが徐々に定着していかんとする過程。お母さんに話したいことがあったけど、お客さんにいろいろ気を遣って世話しているうちに疲れてもうどうでもよくなってしまって予定より早くこっちへ帰ってきた。




赤ちゃんが生まれて家族に新メンバーが加わるパターンと、人が入れ替わって再編成されるパターンと、死んで居なくなるパターン。あるとき元同僚がお店に、産んだばかりの赤ちゃんを連れて挨拶に来たとき、その周りを取り巻く多くの人々には大きな達成感があるような感じだった。みんな目の色を変えて歓迎した。


元同僚がまだ妊婦で働いていたとき、近所に住んでいるという旦那さん側のおばあちゃんが、お店によく足を運んではおなかを見て、「調子ど〜う?」とにこにこ聞いていた。元同僚が、大きいおなかで休憩に外へ食事に出るたびに、いろんなエピソードを持って帰ってきて、うどん屋のお客さんにおなかを拝まれたとか、食欲が快調で、定食食べたあとにもうひとつ定食頼んで二人前食べちゃったとか、そういうのは、本人にとっても幸せのなかの1コマ1コマで幸せ以外は見えない。ある壮大な答えに向かって世界を巻き込んだプロローグ。単純に若い生命はそれだけで希望に満ちあふれているということと、少なくとも私自身の世界をこれから更新していくすべは、今その方法しかないんじゃないかと思い詰めている。




人が出会うときにはどうして出会ったかっていう意味があって、
出会ったときに秘められていた約束っていうのが終わってしまうと、
もうどうやってもいっしょにいられないんだよ。
— via「王国 ひみつの花園よしもとばなな